イタリア料理店カーメラ

マスターってどんな人?

イタリア料理店カーメラ

店主:原 毅/Tsuyoshi Hara

1970年7月7日生/愛知県名古屋市出身
好きなもの:サッカー観戦、食べること、お酒を飲むこと、各地の産直市場、内緒だけど中日ドラゴンズ
インスタグラム=https://www.instagram.com/hara_tsuyoshi/

■幼少~修業時代

小さい頃から母の手伝いをよくしていて、料理を作っていました。
その当時の得意料理は、回鍋肉。そう、豚肉とキャベツの味噌炒めです。うん、それそれ(笑)
母の手伝いでは、よくギョーザの皮包みをやりました。イタリアでいうとラビオリ作りみたいなものですね。
これがなかなか難しかった。でも母は僕が一個包む間に5~6個は包んでいましたね。
子供ながら”すげぇー。お母さんかっこいい”って思ってた。
ちなみになんで手伝いをしてたかっていうとね、母のギョーザが大好物だったんですよ。ものすごく美味しかった。
だからたくさん食べたかったし、ひょっとして、どうやって作ってるの?っていう興味もあったのかどうかは知らないけど(笑)
高校生くらいから飲食店でアルバイトして、ハタチすぎまではウェイターの仕事をしてました。
その頃かな、漠然と「Barでもやりたいな」って思って、でもそのためにはやっぱり料理のスキルも必要じゃないですか。それで、コックの道に入ったんですよ。
修行時代、お店では料理以外のこともたくさん学びましたね。
お客さんと会話することとか、サービス業の基本ともいえる、気遣いとか、食材の選び方使い方も学ぶことができて。
自分のなかに、こだわり--っていうとガンコ親父みたいであれなんですけど--みたいなものも形成されていって。
それなりに苦労もありましたけどね、でも修行時代に現場で覚えたコトのひとつひとつが、今でも自分の宝物だと思ってます。

特技:皿をいっぱい持てる

■心に留めていること

食材への敬意と愛情。これ、家庭料理でも大切にしたい部分です。うーん、例えば身近なところで言うと、レタス。
レタス一個にしても、最高の状態にしておくための仕込みや、保存の仕方次第で、味も鮮度も変わるんですよ。
(ひょっとして包丁なんかでレタスを切ったりしてません?ちょっと試しに、やさし~く一枚ずつ食べやすい大きさに手でちぎって食べてみて下さい。シャキっとしたレタス本来の味と食感が楽しめると思いますよ)
僕たちの仕事は、もちろん最高のサービス、料理、お酒、空間など、色々ありますが、実はお客様の顔を見る前に、その9割以上の仕事が終わってしまっているんです。
残り1割に満たないところを、お客様とお会いしたときに、いかに表現するか。
その残り1割未満って、ほんとに貴重な部分なんですよね。やっぱり最高のかたちで表現したい。
それが楽しくもあり、日々勉強させていただける部分でもあり、自分にとってこの仕事のヤリガイなんだと思うんですよ。

■イタリアのこと

いままでにイタリアへは2度、勉強のために行きました。2度とも5~6人のグループで行き、毎日毎日宴会でした。お店のメニューを全部頼んじゃうくらいの勢いでしたよ。何を食べてもうまいと思った。
なぜかずっと覚えているんだけど、イタリアでこんなことがありました。友人6人で夕食に出掛けて、たっぷりのワインと料理を楽しんでいた時のこと。
周りにはイタリア人の若者がたくさんいて。イタリアではよくトラットリアに花を売りに来るんですよ。
で、僕らと同じお店にいた男性3人組のお客さんが、花売りから花を買って、別のテーブルの女の子2人組のお客さんに渡してもらったりして。「あちらのお客様からです」みたいにね。
これがイタリアのナンパなのかなと思ったんだけど、いや、ナンパっていうかマナーとか常識っていうくらい身近なことなんだろうなあって。
実際目の前で繰り広げられたそれは、あまりにスマートすぎて、よくわからなかった。
そしたらね、そのとき別の3人組のイタリア人のオジサン客がやってきて、僕たちのテーブルの後ろの席についた。そしてなんと僕のグループの女友達2人(そのうちの一人は現在の僕のカミさん)に、花のプレゼント!!なぜか感動しちゃったよ。
イタリア語はまったくわからかったけど、その後のちょい寒いイタリアンジョークに酔いながらワインを飲みました。あの食後のエスプレッソ&グラッパ、最高だったなあ。
はじめてイタリアに着いた夜、 もちろん右も左もわからなくて、適当に入った店。トラットリア、 前菜、ピザ、パスタ、魚、肉、すべて鮮明に覚えています。前菜に出たフレッシュモッツアレラ、どれも最高に旨かった。
イタリア滞在中は、朝、昼、夜、食べに食べて飲みに飲み、過ごした時間は楽しい思い出しかありません。そんなふうに思わせてくれるイタリアが、僕は大好きです。
僕の店cameraに来てくださるお客様にも、あの感動、伝えたいんです。

運命のcamera

camera(カーメラ)は、イタリア語で、部屋、空間という意味。
実はうちの実家は写真屋なんですよ。僕が独立して自分で店を出すってなったとき、店の名前を考えててイタリア語の辞書とにらめっこしてて。
そのとき、初めてこの「camera」っていう言葉に出会ったんですよ。目に飛び込んできた瞬間、コレだ!って思いましたね。
かねてから自分の中にあった「ゆっくりくつろいでほしい。まるで自分の部屋に居るような時間を過ごしてほしい」っていう想いとピッタリ!
いやぁ、びっくりしました。

そういや、うちのカミさん、一緒に店に出ていた時期があったので顔をしってるお客さんもいらっしゃると思います。
店で出しているパンとケーキは、カミさんの手作りです。
イタリア料理店カーメラ